自分の想像力を出来るだけ「真実」に近づける

2022/04/07

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今回の内容は2021年11月22日に配信した内容となります。


今日も今日とて夜分遅くにこんばんわ。ミナミです。


日曜日は2ndPASSの講義が朝から連続で2本立て続けではじまり、今日に至ってはその後すぐにパーソナルが2件、打ち合わせが2件と、この時間になってやっと落ち着く次第であります。


僕は日記というか、日記というと言いすぎなんですけど結構書いてその日に気づいたことをA4の半分の半分くらいのスペースに少しずつメモする癖があるんですけど、2ndPASSみたいな「これからプロを目指す」人を対象に講義をしていると、色々思うところがあって。


例えば、「大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の起始はどこ?」と生徒に聞くと、というよりも、この文章を読んでる人の大部分も恐らく


「坐骨結節」


と考えていることだと思うんだけど、もしそう思っていて、なおかつ「手技」みたいなのを売りにしていたとしたらもう少し勉強した方がいいかもしれない。


いやだって、そうでしょ。一か所から別々の筋肉が起始するわけないじゃないですか。


大腿二頭筋(長頭)は坐骨結節の後部下方から内側、半腱様筋は坐骨結節の下内側、半膜様筋は大腿二頭筋と半腱様筋の上外方。ちゃんとイメージ出来るかな。


とはいえ、結構詳しい解剖書読んでも以外とハムストリングの各筋の起始は「坐骨結節」と一言で済まされることが多いから知らなくても無理はないっちゃ無いんだけど、それでもこの3筋の起始を坐骨結節と一言で済ますのは雑。


例えば、ハムストリングのリリースをする際に、何となくモモの裏側を押したり乗ったりすると思うんだけど、仮に見るからに下腿が外旋していたとして「これは大腿二頭筋が原因だ」と考えたとする。


じゃあ、まずは起始部のリリースを…と思ったとき、正確に大腿二頭筋の起始部である「坐骨結節後部下方と内側」を触れる人と、「なんとなく」坐骨結節を触る人では、これは効果も、もちろんクライアントの反応も全然違う。


この文章で何が伝えたいかっていうと、別に「起始停止を正確に覚えよう!」なんて言うつもりは全然無くて、こうゆうときに「学ぶ必要性」を感じるって話。


「動的平衡」の著者の福岡伸一先生は分かるかな。僕が教えて買った人もいると思うんだけど、これは良書。


で、その福岡先生が「なぜ学ぶ必要があるのか」という問いに「私たちを規定する生物学的制約から自由になるために、私たちは学ぶのだ」と仰っていて。


超簡単に説明すると、例えば「虹」をイメージするとき、自然と「虹は七色」と考えると思うんだけど、実際は虹のスペクトルは連続しているから七色には見えないわけで、これは人間の脳が勝手にパターンを作っていると。


つまり、これは僕らが見ている世界は「ありのままの世界ではない」ということで、これと同じようなことがさっきのハムストリングで言えるんじゃないかと思うんですよね。


何故か多くの人がハムストリングをイメージするとき、お尻の真ん中(坐骨結節、実際は坐骨結節すらお尻の真ん中ではないんだけど)から二股に分かれる」みたいなイメージを持ってるけど、実際さっきの僕が書いた各筋の起始停止を骨格模型とかで見てみるとよく分かる。


もはや半腱様筋なんてかなり陰部に近いところから起始して、ほぼ真っすぐ下に筋が走行している。


つまりですね、トレーナーの多くが「直感的に」筋をイメージしてたりするんだけど、これは真実ではないことが多い。ただ、人体の中は外側からは見えないわけだから、自分の想像力を出来るだけ「真実」に近づけるために勉強を続けるべきではないかと普段指導しているわけです。


そんな感じ。ではでは。


ミナミ