酸素は人体にとって毒にもなるのはご存知ですか?

2022/03/17

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今回の内容は2021年11月2日に配信した内容となります。


こんにちは!ミナミです。


この文章は明後日4日からウォーキングインストラクター養成の講義をしに沖縄から東京へ向かう飛行機の中から書いて、今着陸!ただいまトキオ!


ちょうどフライト前の説明中。「酸素マスクがー」とか「シートベルトがー」みたいな。


酸素といえば「なくなると困るもの」なのは当然ですが、人体にとって毒になるということはご存知かしら。


考えてみると、特に腸には酸素を嫌がる嫌気性菌もいるわけだから酸素が毒になる可能性は分からんでもないと。


で、何で毒になり得るかってゆうのは後で話すとして、そもそも「酸素が毒になると分かったのは何でか」ってゆう話が好きで、皆さんに紹介しますね。


低出生体重児、いわゆる未熟児が生まれるとクベースってゆう容器が治療で使われるんですけど、何となくイメージできますよね。


で、この容器を使い始めたとき、この中の温度だとか湿度は母体と同様にすりゃいいだろと。でも酸素濃度が決まらなかったんですって。


大気と同じなら21%だし、でも高濃度にしても良い気がするしっつって。要するに科学的根拠がないから決められなかった。


で、一旦高濃度で設定してみた。

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そしたら何が起きたかって、赤ちゃんの目が見えなくなった。この原因を探っていくと、正常分娩で生まれた赤ちゃんでも網膜の細胞は生まれたときにはまだ完成していない。絶賛分裂中。


しかもこの分裂中の細胞は高濃度の酸素と出くわすと特異的に死んじゃうことが分かった。こうゆうのを未熟児網膜症といって、未熟児で生まれた赤ちゃんの失明が多発したと。


それがキッカケで初めて高濃度の酸素が生体に毒になることが分かったって話。


で、問題は「何で毒になるのか」ってゆう。イメージでいうと、「濡れた釘が錆びる」に近い。


酸素の原子番号は8じゃないですか。分からない方のためにちょっとだけ説明すると、酸素は周りに8個の電子を持った原子であるということ。


そのうち6個は2つずつがペアで、残り2個は1つずつの自由電子。このへんはまだ教養の範囲ですね。ね?


で、自由電子は化学的に不安定なので、自由電子同士で結合しやすい。つまり、空気中に存在する酸素は原子が2つ結合した「分子(O2)」の形で存在しているわけですね。


こうゆう自由電子を持ち得る物質は化学的に活性が強くて、「ラジカル物質」なんて呼ばれます。


でね、ラジカル物質とラジカル物質が出会うと強い化学反応をする。例えば、濡れた鉄原子(Fe)もイオン化(Fe2+)してラジカル物質になるから、空気中の酸素と結合しやすくなって出来上がるのが「錆」というわけ。


こんな感じで、酸素が生体内のラジカル物質と出会うと同じように強い化学反応が起きるわけね。例えば脂肪酸とかはラジカル物質の代表。


脂肪酸が活性酸素と結合すると、細胞を融解しちゃうんですね。つまり、壊れる。


でも、この酸素のラジカル性質を利用しているは白血球なんかはそう。好中球ってやつ。


この仕組みについて、既にここまでで「化学しんど…」と思ってる人もいると思うので割愛しますが、ラジカル性質を利用することで体内に入ってきた細菌を倒せる。自爆のイメージに近くて、その時の死骸が「膿」ってやつ。


ってゆう酸素マスクから適当に思いついて書いたそんな話。


別に今日の更新は難しい化学の話じゃないけど、化学もね、めっちゃ大事。生理学だって栄養学だって、化学が分からないと本当のところは分かり得ない。そんな感じ。


さて、東京カマして参ります。まずは会食MTGから。


東京の皆さんよろしゅう!


ミナミ